今までの西洋医学に加えて、代替医療や伝統医療などの良い部分を効果的に組み合わせた医療体系のことを統合医療といいます。 患者さんが望んでいた、最良の医療を分野の区別なく行うことを目的としています。 統合医療の考え方が、アメリカで最初に提唱されました。 発祥の地アメリカでは、1992年に国立衛生研究所に代替医療調査室が設置されて、以来今も継続して代替医療の研究が進められています。
現在の医療の現場では、統合医療の必要性を考える意識が高まっていますが、元をたどれば統合医療を日本の医療現場に広めたのは、現在は東京大学名誉教授である渥美和彦氏の貢献によるものが大きいと考えられます。 渥美和彦氏は、もともとレーザー医学や人工心臓などの西洋医学の分野のエキスパートで、日本を代表するスペシャリストの1人です。
明治以降の日本の医学では、西洋医学にもとづく治療が中心に行われてきました。 西洋医学は東洋医学などの伝統医療に比べて歴史は浅く、生理学や解剖学を基本にして病気を解明し、診察や投薬、ケースによっては手術などの方法で治療を行っています。 感染症や外傷、急性期の疾病に効果的で、治療に即効性がある点で西洋医学は優れています。 また日本古来の医療のような神秘的な部分はなく、科学的根拠に基づいているため、ある程度確実な効果が期待できます。